『パイロット・フィッシュ』・・・飼いたいと思っている熱帯魚や魚を
水槽等に入れる前に、その魚が順応しやすいように、あらかじめ、
生態系を作るべく、生息させておく魚のこと。
もしも、普通のお水など、今までと違う環境で飼うと、生きることができ
なくなります。そのため、違う魚をあらかじめ住まわせ、糞などをして、
バクテリア類が繁殖しやすい生態系を作っておく。
その後、その『パイロット・フィッシュ』は捨てられることが,多いの
だそうです。
パイロットフィッシュ (角川文庫)/大崎 善生

私が読んだのは、私が就職してから2年がたった、24歳の頃。
それぞれの道を歩み始めたころでしたね。
休日に、会社の寮から、散歩しながら行ったヴィレッジ・ヴァンガード本店
で偶然発見。
『人は、一度巡り会った人と、二度と分かれることはできない。
 人は記憶の集合体でできている。忘れたと思っても、それは
 記憶の湖にただ沈んだだけ、・・・・・・・・・・・・・』
冒頭の文章から、これでした!
いつも、私の生きてきた傍らには,人と音楽と本がありました。
『出会いと別れ』を繰り返してきているはずなのですが、
実は、別れていなかったのだと、今も私の中で生きているのだと、
最近よく思うようになりました。
一度巡り会った,お世話になったすべての人達との,言葉、思い出、
記憶の影響を受けて、今まで生きて、生かされてきたのだという思い。
パイロット・フィッシュのような環境を整えてくれる方がいて、
今のわたしが存在する。
40になった今年、俄然引っ張りだして、私的読みたい本ランキングに
躍り出ています。
深いです!大崎善生さん。
つづく・・・・。